幸せだった日々~存在~

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 そんな木崎さんを見ると胸が痛くなるけど、同時にほんの少し胸がスーッとする。  ---嫌な私。  なるべく気にしないように……  見ないようにしようとするのに自然と目に留まってしまう光景に、目を背けられなくなる。  そして木崎さんも木崎さんで、別に何もないなら普通にしていればいいのに、私と目が合うと絶対に不自然な顔の背け方をする。  あからさまな態度に、後ろめたい事がある証拠だって思ってしまう私。  でも私たちが揃って居ると不思議なくらい態度が一変する。  わざと茶化すような態度を取ったり、私の嫌いな"あの言葉"を口にする。  ―――"お姫様"って。  言い方に嫌味はないけど、彼女に言われるのが特に嫌だった。  私は彼女に何一つ勝ててなくて……  だから、もし出会う順番が逆だったら……  ううん。少しでも隙を見せちゃうと、ゆーちゃんを取られちゃいそうな気がして怖かったのだ。 .
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