幸せだった日々~存在~

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--… -… 「ゆーちゃん今日も遅いの?」  図書館で難しい参考書を開き勉強するゆーちゃんの隣に座り様子を伺う私に 「ごめん。もう少しだけやっていきたいんだ」  申し訳なさそうに私を見て謝るゆーちゃん。  そして、その向かいには木崎さんと、もう一人クラスメイトでゆーちゃんと仲が良い野島 勇吾さんが座っている。  ほんの少し前までは部活にも入っていなかった私達は毎日のように登下校を共にしていた。  それが少しずつ距離が生まれてきたのは、ゆーちゃんの受験勉強の追いこみ時期くらいの事だった。  ゆーちゃんは3年生で受験だって頭では分かっていたつもりでいたが、私は分かってはいなかったのかもしれない。  勿論ゆーちゃんには頑張ってほしい気持ちはあるくせに、素直に応援できない。  こうして隣で待っているのも、ゆーちゃんの邪魔をしているようで居心地が悪いし、場違いな気がしていた。 「頑張って。先に帰ってるね」  暫く待ってはみるが、結局1人寂しく帰る日々が続いていた。  ---たまに帰る私にも気づいてもくれない。 .
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