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「そう。じゃあ、明日でいいや」
視線を私からゆーちゃんへと移すと意味深な言葉を口にして微かに笑った。
「何が明日でいいんだ?」
できるならスルーして欲しかった。
でもゆーちゃんは迷うことなく木崎さんの言葉に聞き直す。
木崎さんも分かりやすいくらいパッと顔を輝かせるが、すぐに「大したことじゃないから」と言葉を濁す。
チラリと向けられた視線が痛い。
明らかに私の事を気にしていているのが分かった。
「ほら、お姫様が待ってるわよ。早く帰って勉強見てあげるんでしょ」
木崎さんは躊躇いを見せるゆーちゃんの肩を軽く押し、バイバイと手を振ると足早に校舎の奥へと消えていってしまった。
「変な奴……」
木崎さんの後姿を見送り、ポツリと呟くゆーちゃんの隣で私はモヤモヤした気持ちでいっぱいになってしまった。
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