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「---さん?前田さん!?」
「あ、はい!」
不意に呼ばれ我に返った私は思わず背筋をピンと伸ばし、自分でも笑ってしまうくらい気持ちいくらいの返事をしてしまった。
「何て声を出してるんだ。寝ぼけてるの?」
振り向くとソコには呆れたように目を細め笑う長谷部さんが居た。
「いえ……。ちょっと考え事してただけです」
きっと今の私は間抜けな顔をしている。
恥ずかしさで熱くなる顔の熱をとる様に手で頬を押さえる。
「考え事?---そんなに布巾をキツく握って何を考えてたんだ?」
長谷部さんの視線がゆっくりと移るのを私も目で追うと、言葉通り無意識に私の手には布巾が握りしめられていた。
「本当だ……」
照れ笑いで誤魔化しながら握りしめていた布巾を離した。
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