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長谷部さんに頼まれたコーヒーの準備をしながら何故か私はゆーちゃんの事を思い出していた。
――今、ゆーちゃんはどうしているのだろうか……
決して良い思い出ばかりではないが私にとって初恋で、とても大切な時間だった。
ゆーちゃんに出会わなければ、私は人を好きになるとあんなにも胸が苦しくなるものだとは知らなかっただろうと思うし、今の私はいなかったと思う。
「何でいつも苦しい恋しかできないのかな?」
つい泣き言を口にしてしまったが、決して彼らと出会ったことを……
恋したことを後悔なんてしていない。
そんなこと他人に言ったら”ヤケになっている”とか”無理している”って言われるかもしれないけど、そうじゃない。
ゆーちゃんに関しては少しだけ時間がかかったけど、やっぱり嫌いにはなれなかった。
――どちらかというと今でも”好き”なんだと思う。
今さら……
しかもこんな日にゆーちゃんの事を思い出しているなんて自分でも滑稽だとは思うが、不思議と心穏やかな自分がいる。
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