30人が本棚に入れています
本棚に追加
今の自分に後悔はないけど、昔の自分に後悔はない、とは言い切れない。
もう少しゆーちゃんの話を訊いていたら……
もう少し自分の事ばかりじゃなく、ゆーちゃんの言葉に耳を傾けていたら……
あんな後味の悪い終わり方だけはしなかったのかもしれない。
何故か思い出すのは優しいゆーちゃんとの思い出ばかりで……
ゆーちゃんとの事を思い出せば思い出すほど、胸が締め付けられるような痛みを覚える。
いつも私を包んでくれた優しい腕と笑顔に私は何度も何度も救われたのだ。
「何で今、このタイミングで……」
軽く笑い飛ばそうとするがカップに触れる手が微かに震えていることに気づく。
私は慌てて自分で自分の手を握りしめ震えを止めようと試みる。
最初のコメントを投稿しよう!