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――…
―…
ゆーちゃんが向こうに行って数か月。
私の心配も嘘のように順調に日々が過ぎていっていた。
約束通り毎日来るメール。
週に1、2度の電話。
顔を見て喋れないのは寂しいけど、ゆーちゃんの気持ちが感じ取られ今の私には十分だった。
ただ一つだけ、どうしても消えることのない不安があった。
それは彼女ー―木崎さんの存在。
やっぱりゆーちゃんと同じ大学の、同じ学部に進学していた。
ゆーちゃんは違うって言ってるけど、彼女は絶対にゆーちゃんが居るから同じ大学に進んだんだと思う。
本当は会わないでほしいし、喋らないでほしい。
でも同じ学部で、同郷。嫌でも顔を合わせてしまうし、避けることは難しい。
何より、またゆーちゃんを悩ませたくないし、苦しめたくない。
だから私はゆーちゃんに一つだけお願いをした。
――木崎さんと二人きりにだけはならないで、って。
ゆーちゃんは迷うことなく「分かった」と言ってくれた。
私はゆーちゃんの言葉を信じた。
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