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しばらくはゆーちゃんと仲直りして、穏やかな日を過ごしていた。
無理に先に帰るのではなく、ゆーちゃんの隣で自分も宿題をして時間を潰し少しでも同じ時間を過ごすようにした。
勿論、図書館だから会話を交わすことはなかったが、時折ゆーちゃんと目が合う---ただ、それだけで充分だった。
ゆーちゃんが傍に居る安心感からか、あんなにも気になって仕方なかった木崎さんの存在も前ほど気にはならなくなっていた。
とはいえ、全く気にはならないとはいかず、たまに2人で楽しそうに答え合わせをしているのを見ると胸が痛む。
でも、そんな事で一々気にしていたら埒が明かないし、ゆーちゃんを困らせたくない。
何より木崎さんに"気にしている自分"を悟られたくはなかった---私の小さなプライド。
それに春からは遠距離恋愛になるのだから、少しは心に余裕を持たなくてはいけないと思った。
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