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一番良いのはどちらかが大学を落ちる事---そうしたら2人は別々の大学に行く事になる。
でも、もし落ちたのがゆーちゃんだったらと思い直し、慌てて否定する。
まずもって他人の不幸を願ってしまう自分が怖い人間に感じ、嫌気がさしてしまった。
じゃあ、どうすれば……
木崎さんが志望校を変えるとか、ゆーちゃんを諦めてくれるとか色々考えたが、さっきの感じだと期待が持てそうに無い。
解決の意図は一向に見つかる気配すらなく、余計に私の不安を駆り立てる。
あるわけ無いのに、と思いながらも膨らんでゆく悪い妄想。
私たちは離れても大丈夫だって、一生懸命自分に言い聞かせても一瞬にして消えていってしまう。
「絶対に嫌……」
やりどころの無い苛立ちと不安を胸に抱え、私は眠れない夜を過ごしてしまった。
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