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結局、誰にも言えないまま時間だけが過ぎていった。
そのせいか勉強にも身が入らず、2学期の成績は最悪で、お母さんにはこっ酷く怒られてしまった。
こんな事じゃ駄目……
こんな事じゃ……
来年、ゆーちゃんと同じ大学を受験するんだと決めているのに、こんな事で成績が落ちるようでは到底無理。
自己嫌悪に陥っていると、ふいに視線の片隅に入る彼女の姿。
その目線を追うとたどり着くのは私の隣に座っているゆーちゃん。
当の本人は彼女の視線にも気づく様子もなく真剣な面持ちで問題集に被りついている。
ゆーちゃんは何も悪くはないのに、あまりにも色々気づかなさ過ぎて時々、見ていてモヤモヤした気持ちになる。
このまま何もしないで時間が過ぎ春が来たら、きっとゆーちゃんの隣には何気ない顔をした彼女が居るんだろうか--考えただけでも気が狂いそうだった。
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