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「――じゃあ、仕事はいいから少し横になって休んでろ」
言葉と同時に頭には大きくて温かい長谷部さんの手を感じ、また泣きそうになってしまった。
「はい」
涙交じりの声を悟られないように声を抑え答えると顔を見られないように気をつけベッドに横たわる。
「帰りは送るから、ここで待ってろよ」
「え!?大丈夫です」
驚きのあまり勢いよく起き上がる私に
「じゃないと泣いていたことをみんなに言うぞ」
と柄にもなく脅しの言葉を口にした。
多分そんなことは言わないだろうとは思ったが、長谷部さんの顔を見たら何も言えなくなり、私は大人しくベッドに横たわった。
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