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話していくうちに記憶が蘇る感極まって涙が零れてくる。
静かな店内に響く自分の声。
恥ずかしくて声を抑えようと思うけど、もう制御不可能で自分でもどうすることもできなかった。
最後は言葉にならなくて泣いて、泣いて、泣いて。
涙が枯れるまで、ただ泣き続けた。
――…
―…
「すみません」
私は泣きはらした目で鼻を噛んだティッシュを目の前に頭を深々と下げ謝る。
「いいよ、気にしないで。話を訊くために今日誘ったんだから」
穴があったら入りたい……
いや、穴がなくても穴を掘って奥深くに埋めてほしい、っておもってしまうくらい恥ずかしかった。
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