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「本当に大丈夫?」
言葉と共に長谷部さんの手が私の肩にソッと置かれる。
瞬間、私の中で何かが弾けるのを感じた。
せっかく必死に堪えていたのに長谷部さんの手の温もりは、ソレをいとも簡単に崩壊させる威力があった。
私は一気に押し寄せてきた感情にのまれ、声にならない声を上げながら、その場に泣き崩れる。
私は微かに残っていた理性で、声が外に漏れないように口を手で覆った。
でも涙は止まることなく目から零れ落ちてゆく。
ここは会社で今は仕事中なのだと何度も何度も心の中で唱え、冷静さを取り戻そうと試みるが効果なし。
もう自分の力では、感情をコントロールすることはできなかった。
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