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明らかに近づいてくる気配に私は焦りを感じ身体を強張らせる。
「あ、長谷部さん」
彼女がすぐそばまで来たことが分かった。
「やだ、前田さんどうしたの!?」
案の定、私に気づき慌てた様子で駆け寄ってくる。
「前田さん気分が悪くなったみたいで、医務室に連れていこうと思っていたところなんだ」
顔を上げられないず俯いていると不意に腕を掴まれ高と思うと一気に引き上げられた。
戸惑う私が感じたのはよく知った長谷部さんの匂いと体温。
私の顔が見られないように庇ってくれているのだと、すぐに分かったが心穏やかではいられなかった。
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