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触れるだけの短いキス。
ドキドキしたけど、嫌じゃなかった。
でも唇が離れた後、長谷部さんは慌てた様子で「ごめん」と私に謝った。
多分、突然キスをしたことを謝ったのだと思った私は「謝らないで」と自ら長谷部さんに抱き着いた。
長谷部さんもそれに応えるように抱き返してくれたのがすごく嬉しかった。
これで私もゆーちゃんの事を完全に忘れられる。
新しい恋に踏み出すことができたんだって、嬉しさのあまりほんの少し泣いてしまった。
それからは一気に長谷部さんとの距離は縮まっていって、仕事終わりだけでなく週末もデートをすることが増えていった。
映画を見たり、水族館に行ったり、ドライブをしたり……
でも長谷部さんと一笑に居る時間が増えるにつれ、幸せと同時に不安も増えてきていた。
普通の恋人同士のようにデートを重ね、関係を持つようになっていたが、長谷部さんのマンションに行きたいというとやんわりと断れていたのだ。
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