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「話ならいつでも訊くから、いつでも言って」
これは長谷部さんのこの場しのぎの建前だったのかもしれない。
それでも私は嬉しかった。
心が弱っているせいか、理解してくれる”誰か”が傍に居るということだけで随分気持ちが楽になった気がした。
――と、ここまでで終わりにしておけばよかったのに……
駄目だ、駄目だと思いながらも私は長谷部さんの言葉に甘えてしまった。
長谷部さんはすごく大人で私のくだらない愚痴や泣き言にも嫌な顔一つしないで付き合ってくれた。
それが心地よくて……
心地よ過ぎて……
いつの間にか私は長谷部さんの事を1人の異性として見るようになってしまっていた。
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