92人が本棚に入れています
本棚に追加
すごく迷ったし、すごく悩んだ。
この決断は私の人生をも大きく左右するものだった。
下ろすしかないのだろうか……
時間が経つにつれ、徐々に冷静に物事を考えられるようになってきた。
と同時に”産みたい”っていう気持ちが大きくなっていった。
でも、もしかしたら勘違いかもしれないと会社を休み病院に行った。
「妊娠してますね」
先生の言葉と初めてもらった小さな小さな豆粒の写真に私の気持ちは一気に固まった。
誰に何を言われても、この子を産もう。
絶対に守り抜こうって心に決めた。
でも、やっぱり長谷部さんに打ち明けるなんてできなかった。
これ以上、彼を苦しめたくなかったから……
真央ちゃんか、この子かなんて、そんな辛い選択をさせたくなかった。
それにきっと長谷部さんなら責任を感じて奥さんと別れ、私と一緒になるって言うに決まっている。
心細いし、不安だし、出来ることならずっと長谷部さんとお腹の子と3人で過ごしたい、というのが本音。
でも私が出した答えは誰に告げず会社を辞め、一人でこの子を産む、というものだった。
.
最初のコメントを投稿しよう!