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突然の事に驚かれ、そしてもう一度考え直してはと提案された。
出来ることなら、ずっとこのまま勤めていたい。
でも、そんなことできる訳もなく次の仕事が決まっていると嘘をつき退職届は受理された。
でもいくら受理されたからといって、すぐに会社を辞められるわけもなく、会社規定により1か月は勤めなくてはいけなかった。
幸か不幸か悪阻は軽く、無いに等しいくらいで1か月ならお腹だって目立たない。
それに何よりほんの少しでも長谷部さんの傍に居たかった。
―――余計に別れが辛くなると分かっていても……
仕事中、コッソリとお腹に手をやり心の中で話しかける。
『あの人が、あなたのお父さんですよ』って。
決して口に出して言うことも、会わせてあげることもできないけど、これくらいは許されるよね?
そうして最後の日がやって来た……
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