忘れていた記憶

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時計を見ると、すでに7時を回っている。 いつもなら必ず家にいる時間で、今まで一度だって門限を破ったことがない子だった。 それだけに私の不安は底知れないもので、良からぬことばかり考えてしまった。 もしかしたら事故に巻き込まれたんじゃないか、とか。 もしかしたら誘拐されたんじゃないか、とか。 警察に行く? でも、もう少し待ってみた方が良い? 完全にパニックを起こしてしまっていた私は冷静に物事を考えられなくなっていた。 そんな中、突如鳴りだした電話に私は飛び上がった。 「はい、前田です」 と同時に飛びつくように電話に出た。 .
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