忘れていた記憶

10/13
91人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
「ゆーちゃん?―――と木崎さん……」 そう。 私の目の前に立っていた相手の女の子の両親は紛れもなく、ゆーちゃんと木崎さんだったのだ。 あまりの大きな衝撃に私は経っていることもできず、その場に座り込んでしまった。 「サチ!?」 慌てて私を抱きとめようと伸びてきたゆーちゃんの手に「嫌!」と払いのける私。 まさか、こんな事ってある? こんな酷い仕打ちってある? 今まで、これほど自分の運命を呪った事なんてなかったと思う。 コレが夢ならって願わずにはいられなかったけど、現実を変えることなんてできず、私Hあ受け入れるしかなかった。 「久しぶりだな、サチ。元気だったか?」 あんなことがあったにも拘らず、普通に話しかけてくるゆーちゃんが信じられなかった。 そして、その傍らに寄り添うように立つ木崎さんの姿にも吐き気を覚えた。 .
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!