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「なるほどな。あっ、でも待てよ」私は思い付いた。人間の私なら持てると思ったのだ。
「私なら触れる。だから手伝うよ」
「本当か?」
「ああ。出れるか出れないかは解らないけどやってみようぜ」
「でも読書は良いのか?せっかくの休みなのに?」
「大丈夫、大丈夫。読書より興味が湧くよ。オーシャンブルーに光ところが見て見たいし」
「でも私の骨が有る場所は遠いいぞ。今から行くと日が暮れる。それに正確に辿り着けるか心配だ」
「平気だよ。物事って言うのは考えすぎたとたんに嫌になるもんだ。時には考えなければいけない時だってあるけどな。そのバランスが重要なんだと私は思うんだ」
「本当に良いのか?」青年は言った。
「本当だよ。嘘なんてつきたくない。男に二言はない。潔く出発だ」私は拳を突き上げた。
「所でどっち方向だ?」
「こっちだ。私に着いてきてくれ。でも本当に直感的に行くぞ。私自身もあまり行き方なんて覚えてないからね」青年はコースを外れ右に曲がり曲がりくねった道へと足を踏む出した。
私も青年に着いていくように後を追う。
強気な発言をした私だが内心はとても怯えている。
「そう言えば名前聞いてなかったよね。私は高畑譲って言うんだ」青年は言った。
「私は吉野黄緑って言うんだ。変な名前だよな」私は鞄からパンを出した。
大好きな餡パンだ。
私は袋を開けパンを頬張った。
とても美味しく牛乳が飲みたくなった。
牛乳と餡パンの組み合わせは最高である。
「旨そうだな。俺も食べたいが食欲ってもんが湧かないんだよな、死んでっから。所で黄緑って呼んでいいか?」
「勿論。私も譲って呼ばせて貰うよ」餡パンを喉に詰まらせながら言った。
「相変わらず景色は変わらんね。周りは緑だらけだ」
「それが森だろ。私なんかこの景色を長い間見てるよ。20年もね。20年か・・・。長いよな。ほんと長いよ」
「確かに20年は長い。20年もあれば色々出来るよ。世の中なんてすごい変わるよ。そう言えば世の中の事とか知らないでしょ?テレビ何てないし新聞なんてないしね」私は言った。
「その通りだよ。何にも解らない」
「日本の野球チームが12球団から18球団に増えたよ」
「本当か?それは驚いた。中西スワンズの4番中川喜彦はまだ現役?」
「懐かしい。もう引退したよ。45歳まで頑張ってたね」
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