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「別にどうって訳じゃないけど……。話をしてたら退屈しないかなって思ったから」
失礼なやつだ。
「それじゃあ退屈しのぎってわけ?」
「そうかな」
帰るか……。
怒りを通り越してもうどうでもよくなった。一撃を加えるよりも放置するほうを選びたかった。
「だってさ、生きてるのって退屈じゃない?」
「……なるほど」
妙に納得した。やつにとってそれが全てで、そしてあたしも少なからずそう思ってる。
何故か今までの思考がリセットされてあたしなりに真剣になってしまった。あたしの方がソイツにコントロールされているようだ。
「退屈は人を殺せるってやつか……。何か一つでも頑張ったりできんのか?」
「何もかも値しないね。美月は何かあるの?仕事はつまらなそうだけど」
よけいなお世話だ。
「別にないさ……。気がつくとここにいたって感じかな。ま、そこそこがんばって生きてるんじゃないか、あたしはさ」
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