第1話

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「悪いけど他あたってくれるかな。あたしはカウンセラーじゃないし、勤務外だし」  あたしはもう相手にするのが面倒になっていた。 「そうそう、そんなカンジ。それがあなたの本当の……」 「はぁ?」  いつの間にか火の点いていた有害物から煙を吸い込む。 「人間なんてみんなそうなんじゃないの?だいたい……」  ガチャ  突然、裏口のドアが開き先輩が出てきた。ベージュのスーツが似合っている。 「あらっ?」  何故か妙に焦った。  そいつの設定を考える。年の離れた弟とか従姉弟とか。 「確か今日のお客様よね?どうかしたの?」  駄目だ。 「い、いえ、あの……」 「僕はその人と話がしたいんですよ……」  邪魔をするなと言わんばかりの重い口調。一歩間違えば何かしでかしそうだが、絶対にその一歩は踏み出せない。あたしはそこまで考えた。  しかし先輩には感じとれないのだろうか。 「あらあら、しっかり相談にのってあげなさいよ」  先輩はあたしの肩をポンとたたいて帰っていった。
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