離れて想う故に

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   その日の放課後  帰ろうとすると、昇降口で竜也と目が合った。同じ学校だから会わない事はないが、出来る事なら会いたくなかった  以前会ったときは街中で喧嘩してしまい、お互いボロボロだった。何となく気まずくて避けていた節もあり、会いたくなかった 「翔、ちょっと。ツラ貸せや!」  竜也は顎で学校近くの図書館にと意思表示する 「ああ」翔も、会ってしまった手前、無視出来ず。図書館へと向かう  小さな農業用の川と道路を隔てて、校舎の向かい側に図書館はあった。放課後の時間は人も少なく、ガラガラだった。展示会や休日以外の日は閑散としていた。一階は閲覧室と本棚が広がっており、二階には展示室と小ホールがあった。一階に比べ二階は普段の日は誰もいなかった。そんな、人気のない二階のロビーに向かって、翔は竜也の後を無言で追った。内心覚悟はしていた。身構えつつ、竜也の動きを注意深く追い、いつでも動けるようにした 「翔、おまえ何身構えてんだ?」 「っは?」  予想していた言葉や動作ではなく、意外な言葉で一瞬意味を理解出来なかった
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