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「そや、なんかなあ、恨み云々とか言いやがるから暗くて嫌んになってな無視してる。あそこまでバカやと思わなかったからな、ついつい殴ってしまった。それもここ」竜也は、鼻を指差した
「それキツイなあ。再起不能だな。まあ、それで、しばらくは静かになるかも知れないな。しかし、お互い変わったみたいだな。なんだか休み中に一気に歳食った気分だ」
「何、ジジくせえこと言ってるんだ」竜也は笑っていた
お互い虫の居所が悪かった頃に比べ、今の状態を誰かが見たら目を疑うだろう。当たり散らしていた頃が、少し前のことだったが、もう、随分過去のように思えた。考えてみたら、当たり散らすことも、舞に出会ってからはなかった
「それで、どこまでいったんや?」
「どこまでって?」
翔は、いまいち理解出来なかった
「何を言ってんだ。どこまでって言ったら、進展だよ。まさか、何もしてない訳あるまい?」
竜也はニヤニヤしながら聞く
「それなりだよ」返答に困り、短く答える
「それで押し倒したんか?まさか、おまえさ何もしてないって事はないだろ?」
翔は、一瞬ドキっとした。何度か、やましい事は考えた事もあったが、実際、舞を目の前にすると、会話が弾んで微塵も考えられなかった。何よりも大切に思っていたからこそ、余計なこともせずに楽しい時間を共有する事だけに専念した
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