お嬢様とバスケ馬鹿!

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家から走れば5分ほどで着くちょっとした公園くらいの広さのコート。着いて腕時計に目をやり見てみると『6時』ジャスト。 「今日も遅刻無し!」 そう叫びコートを見るとやはり誰も居ない。俺は毎朝6時に来ては一時間だけ一人で練習し7時には帰る。 その一時間の間だけは誰も来ないのを知っている。だから朝6時に来るのが日課だった。 そしてコートに着いた俺は愛しのアイツ……リングに笑顔で挨拶する。 「おはよう。今日も一時間だけ俺とデートして来れな?じゃあいつもの、おはようのキス行くぜ!?」 そうリングに笑い叫んだ俺はボールを勢い良くアスファルトのコートの地面に叩きつけた。 叩きつけられたボールはリングに向かい天高く舞い上がる。 それを見上げ俺はダッシュしボールに向かい飛ぶ。 そして空中でボールに追い付いた俺は、そのまま掴み一気にリングに叩きつけダンクした。リングは『ガコン!』と大きな音を鳴らし俺におはようと言う。 勝手に俺がそう言われていると思いたいだけの自己満だが…… 「今日のおはようのキスはどうだった?」 ダンクした俺はリングにぶら下がりながら笑顔でキスの感想を聞く。答えは勿論の事、返って来ないがリングの揺れを見て自分なりに満足しているだけ。 そんなリングと朝からイチャイチャする俺に視線を送る者が居た。この時はそんな視線にも気付け無いほど俺はリングに集中していた。 「な、何アイツ……人ってあんなに高く飛べるの……てか決めた!」 そう言って葵に熱烈な視線を送る美少女は導かれる様にして葵の貸し切りのコートの中に入り歩み寄っていた。
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