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どう考えても犬派な俺だけど、目に留まる女性はいつも猫系。
まあ、女の人という生き物がもう猫のようなものなのだとは思うけど。
俺の前で小さく震えているクラスメイトの女子は、どう見てもヨーキーの子犬だった。
ふわふわ巻かれた髪、低い位置でのツインテールはピンクのリボンで飾られている。やたら俺に絡んでくる女子グル-プの中で、一番大人しい女の子だ。
多分、背も一番低いような。比べたことなんてないから、判らないけど。
「あのね……っ、坂田くん、今誰かお付き合いしてる人とか……好きな人、いたりするのかな……?」
──俺が今フリーだということは、斉木のおかげでクラス中が知っていることだ。
新学期になって、年上の彼女とどうなってるんだよ、と訊かれて、馬鹿正直に別れたよ、と答えたのがいけなかった。斉木にはいつも悪気がない。
それが彼の最大の武器ではあるけれど、教室に響き渡るような大きな声で俺の答えを繰り返したときは、開いたままのそこの窓からやつを落としてやろうかと思った。
斉木のあの考えなしなところは、高校在学中に是非矯正すべきだと思う。
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