枯れ果てています。

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚ 「あの……」  保健室に寄って帰ろうかどうしようか……と考えながらロードレーサーの鍵を手に昇降口を抜けると、声をかけられた。  一瞬、また西川さんかと思って身構えてしまう。が、見ると彼女ではない。西川さんの友達で、昨日俺の口にポッキーを入れてきた長倉さんだった。  え。まさか今日西川さんのことを軽くあしらったことについて、何か意見でもされるんだろうか。それにしては迫力がないというか何というか、やたら周りを気にしている。 「あのね、坂田くん……今日ね」  長倉さんはらしくなく俯いて、もじもじし始めた。らしくなく、というのも失礼か。 「今日……めぐみに、何か言われなかった……?」 「めぐみ?」 「あ、めぐみ。西川めぐみ。あたしらの、連れの」 「ああ、うん。言われたね。何か、質問されただけ」  それが何か? というニュアンスを、これでもかと込めてやる。 .
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