枯れ果てています。

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   何というのか。無邪気だな、とは思うけど。はっきり言って、ああいう女の子に色気はない。俺の中の“男のスイッチ”を押すにはとうてい向いてない。押して欲しいわけでもないけど。  愛美さんとか、流華さんとか、ぱっと見はああいうにぎやかな女の子達と何も変わりはないんだけど……。  単純に無防備と呼ぶには語弊のある、ある種の隙みたいなものが共通している。  見せたくないところにかけるモザイクみたいに、愛美さんや流華さんには、見えそうで見えないところが常にある。それは本音だったり本心だったり本性だったり、そのときどきで色々で、様々だ。  いつもはうまく隠してるくせに、肝心なところで隠しきれていない。むしろ、モザイクをかけることでそこにあるものをちらつかせて、勘付かせようとする感じがずるい。  俺みたいな意地の悪いところのあるオスは、どうしても不意にそこに触りに行きたくなるっていうか。これは行動に対しての言い訳か。  ……動くものなら何でもいいわけじゃないにしろ、もう少しそういう面があってもいい年頃なのにな、俺。 .
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