まるで鏡を見ているようだ。

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   そう言いながら、流華さんは顔が近いままの俺に、さっきのキスの続きをねだってくる。  これだけ密着して、傍から見れば恋人同士でしかないのに、俺と流華さんの胸に住んでるのは、目の前の相手とは違うひと。  誘う口唇は、さっき俺が散々拭ってしまって、もう裸同然だ。  そういえば、キスが出来る相手とは、その先のことも難なく出来る、という話を聞いたことがある。  試したことはないし、試そうとも思わないけど、判る気がした。  半開きの流華さんの口唇をぺろ、と軽く嘗めて、触れるより先に舌を滑り込ませる。  こんなキス、誰に教えてもらうわけでもないのに、なんで無意識に出来てしまうんだろう。  このひとを見ていると、色んなことが頭をもたげる。そのせいも、あるんだろうけど。 .
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