やっかいなことは嫌いだ。

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   流華さんの手を、ぎゅう、と握る。少し冷たい流華さんの手は、反応して少し震えた。 「……そばにいて欲しいって思うんだ。少しでもそばにいて、あなたに触れたい。理由なんてないよ。そういうのは、不純なことなのかな。……いけないことかな」  目の前の流華さんの瞳が、驚きに見開かれる。潤んだ瞳が、今までとは違う理由でじわ……と滲んだ。  流華さんはふるふるとかぶりを振りながら、何かに耐えるみたいにぎゅっと口唇を結ぶ。 「いけないことか、なんてあたしに訊いちゃ駄目」 「……どうして?」 「だって……だって、あたしも今、仁志くんと全く同じこと言おうとしてた……」  流華さんの涙がこぼれる前に、下からもう一度、窺うように口付けた。抵抗もせず開いた流華さんの口唇の間から、そっと舌を挿し入れる。  そのまま流華さんをベッドに押し倒すと、彼女はふと目を開けた。 「あの、仁志くん、ここじゃ……」 「判ってる。鍵は、覗かれる心配したくないから閉めただけ。ちょっとだけ、ちゃんと流華さんに触りたいんだ。……お願い」  言いながらもう、流華さんのカーディガンの下から手を入れる。  素肌に触れた指先にビクン、と反応して、流華さんはまた泣きそうな顔になった。 .
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