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……なんて正直なんだろう。やっぱりこのひとは可愛いな、と思った。
要するに流華さんの満足は、俺の反応も含めてのことなんだってことだ。
なるほど確かに、大人の女性の言うことかも知れない。
そういうことなら、流華さんには是非俺の反応を観察してもらいたいものだ。心の中では、そう思う。
「……いつも俺が興奮してるの、流華さん知ってるでしょう……?」
流華さんを抱き寄せ、その耳元で低くささやいてやる。流華さんの肩に、ぴくりと力が入った。
「流華さんの中を弄ってるとき、俺、こうして聴かせてあげてるつもりなんだけど……」
「……ん、うん……判ってる、けど」
もぞ、と流華さんが腕の中で身じろぎした。昨夜のものであろうソープの残り香が、とても色っぽい。
……そりゃあね。
これが恋愛じゃなくても、俺達が恋人じゃなくても、気持ちはある。
優しくして、焦らして、甘やかして、いじめて、とろかせて、責めて、啼かせて。
腕の中で無防備にほどけて乱れる流華さんを、俺だってもっと見たい。
どこまでしても行っても、彼女に後悔のかけらさえ抱かせないように、頑張れるとも思うんだけど。
……だけど、駄目なんだよ、それじゃ。
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