拭えないものってあるんだよ。

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚ 「先生、急患」  言う通り、斉木は俺をちゃんと保健室に運び込んでくれた。斉木が俺を支えるようにして連れてきたせいか、額田先生は即座に立ち上がる。 「どうした?」  額田先生は斉木から俺の身体を受け取ると、額に手を当ててきた。 「風邪。発熱。とりあえずちょっと寝ろ」  端的にそう言われ、逆らう気力もない俺は、さっさとベッドに寝かされる。ぼーっとしている俺に、額田先生はやれやれと溜め息をついた。 「その分じゃ、自分で帰るのしんどそうだな。担任には俺から言っておくから、ゆっくり寝てろ。帰り、送ってやるよ」 「……それはありがたいけど、ロードレーサー……」 「1日くらい置いてけ。盗まれるのが心配なら、職員用の駐輪場に置いておけばいいから」  肩を竦めてそう笑うと、額田先生はカーテンを閉める。それが合図になったみたいに、俺は落ちるように眠り込んだ。 .
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