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“教職に就いてる人間って、家庭でも親より教師やっちゃうんだよね”──って。
小学生の頃は、少年野球っていう逃げ場があったから、まだよかったんだけど。
中学生になってから少しずつ、抑圧は不満というかたちをとって、ゆっくりと積もっていった。何が不満かなんて、そんなの人に言いたくない。親の恥は、自分の恥でもある。
それくらいのプライドはあった。いや、あとから思えばそのプライドこそが、一番邪魔なモノだったのかも知れないけど。
で、泣いて喚いて暴れて訴えるでもなく、俺が取った行動は。
学校に行かなくなること、だった。
当たり前だ。昨日まで大人しく辛抱していた人間が、ある日急に家庭内暴力に目覚めるとか、ありえない。そんな判りやすい反応を見せられるわけがない。
結局何もしないでいることしか選べなかった俺にだって、どんなふうに暴れてみようか、と頭に描くことくらいはできるけど。
家のものを投げ散らかして窓ガラスを割って──それはさぞスッキリする行為だろうな、と立ち上がっても、次に想像するのはぶち壊したものを情けなく片付ける自分の姿。
そのいたたまれなさを考えたら、何もしないで無気力でいる方が、いくらかマシだ。
生きていくのってつまんないな、なんで俺がそんなこと続けなくちゃいけないのかな、と思いながら。
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