どこにも証拠なんてない。

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚  担任が父さんの後輩だったせいか、何事もなく俺はただの病欠扱いになっていた。  思春期なんだからこういうこともあるだろう、という両親の事務的な対応も、正直気に入らなかった。少しくらい、叱ってもよさそうなもんだけど。  その頃より少しだけ大人になった今は、“よくある反抗期”で済ませたかった両親の気持ちを想像することくらいはできるけど、中学生にそんなこと考えろって言ったって無理だ。  そして、何をどうしてその結論に至ったのかさっぱりなんだけど──学校を休み続ける俺に、両親は家庭教師をあてがった。  母さんの出身大学の、教育学部2年生──それが、小林さなえだった。 .
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