千切れそうだと思った。

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚ 「だからって、ここに来るなよ。せっかく気持ちよかったのに」  小春日和に窓際でまどろんでいたのか、珍しく無防備な様子の額田先生は、目をこすりながら立ち上がった。言うほど迷惑そうではないのが窺える。 「だって、今日は人が多すぎて」 「まあ、確かにな。いつもは静かなのに、その昇降口んとこ駆け回るヤツの多いこと」  ふあ……とあくびをしながら、額田先生は時計を見上げた。 「あー……そろそろ、正門に佐奈迎えに行かないと。ほら、それ食うんならここで食え。床汚すなよ」 「佐奈さんも来るんですか?」 「そりゃあ、母校だからな。そのまま校内練り歩いてくるから、しばらく留守番してろ」  別に額田先生を追い出す気なんてなかったけど、これは願ったり叶ったりだ。  さりげなく流華さんを見ると、ちょっと嬉しそうにはにかんでいた。  ……このひとは、もう額田先生のことを何とも思ってないんじゃないだろうか。  ふと、そんなことを考えてしまう。  すると、額田先生は白衣を脱いでハンガーにかけながら、俺をじっと見据えた。 「何ですか?」 「しばらく戻ってこないからって、変なことすんなよ」  額田先生の口唇が、ニヤリと小さく上がる。 .
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