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『だって、ちゃんと学生やってるところなんて、あまり見られたいものじゃないだろうなって。勝手に想像しただけ』
……思春期の男の考えそうなことを、よく判っていらっしゃる。その点はさすがだ。
でも、俺は自分でもプライドが高い方だとは思うけど、その手の羞恥心みたいなものはあまり働かない。
こういうところが生来のものなのか、年上の女の人と付き合うのにそんなものは邪魔なだけだと無意識に学んでるからなのかは、よく判らなかった。
「いや、そんな心配しなくていいよ。嫌なことは先にそう言うし」
『そうでした。あなたってそういう子だった。じゃあ、よけいな気を回すのはやめとく』
「うん、そうしてくれると助かる」
『じゃあ、いけそうな日は先にメール入れるから。電源入れておいてね』
「うん、気をつける。わざわざ額田先生使ってくれてありがとう」
額田先生のことを今思い出したかのように、流華さんは吹き出した。
やらなければならない作業と、やる気のない俺。実にバランスの取れない状況で、流華さんとの電話はいい刺激になった。
文化祭のときくらい、クラスの一員らしさを発揮してみますか。
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