それぞれの過去。

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おれはそいつを見た瞬間終わったと思った。 「兄貴…。」 結構憧れてた兄貴が、族にいて、しかも、俺らの敵になるなんて。 俊哉の兄貴がそのころ『風神』の総長をしていて、いつも遊びに行っていたから、俺らもそこに入るつもりだった。 だからこそ、兄貴が敵にみえた。 「廉、俊哉。何やったかわかってんだよな?」 「だからなんだよ。襲ってきたからぶっ潰しただけだ。」 「そうか。お前らだから特別だ。」 「何。」 「『虎王』はいるなら許してやるよ。」 この言葉が一番聞きたくなかった。 兄弟だからホントに困った。 でも、俺は俊哉がいる。そう思って『風神』に入るって決めた。 「んなことしてもらわなくて結構だ。」 「あぁ?」 「俊哉。わりぃ。」 「わかってるよ。片付けようぜ♪」 「おう。」 俺ら、もう修復できねぇな…。 そんなこと考えながら俺らの喧嘩が始まろうとしていた。 その時だった。
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