祓師(はらいし)

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「まだお信じなれませんか?どうやって殺したか云いましょうか?相当惨いやり方ですね・・・だからこの人達の思いの強さがあなたを苦しめるんです。 あなたを殺したくてしょうがないみたい。いっそ死んであげますか?この人たちの恨みがはれますよ。フフフ・・・」 本当に黒有栖の顔・・・魔界のモノだ。妖気さえ感じる。 「お許しください。どうにかして下さい、金ならいくらでも出す!」 「じゃあ、3億で・・・あなたなら大したことないでしょ?」 3億って・・・桁がすげぇ、さらっと云ったし。改めてこの有栖の顔を見た。紅い眼が妖しく揺れる・・・吸い込まれる。 「じゃあ、後日、小切手で・・・」 すっと立ち上がると神棚にあった刀を捧げ持つ。鞘をゆっくり抜く。普通の両刃の剣の様な・・・でも鞘の装飾がみごとで古いものらしい風格があった。 「出でよっ!天叢雲剣(あまくも)」 剣が光って眩しくて凝視出来ない!そのままその剣で国会議員のオヤジの腹を貫いた。 「ああっ!」 思わず秘書と俺は声を出してしまった。 すると三つの光る玉が空中に浮いている。有栖は三つの玉を懐に抱き何かしら唱えていた。黒ずんだ玉は光を放ち消えていった。 「これで大丈夫でしょう。あんまりひどいことをすると今度はお助け出来ないかも知れません。では入金お待ちしています」 あっ!刺されたオヤジ・・・血が出ていない。秘書たちに運ばせ七夜と一緒に出ていった。 「いちいちうるさいぞ!十六夜」 「だって刺したら死んじまうだろ!」 「天叢雲剣(あまくも)では人は斬れない」 「でも・・・有栖!」 「俺は有栖じゃない!」 「えっ?」 「靫だ。有栖川 靫(ありすがわ ゆぎ)」 「有栖じゃない?」 俺の頭は混乱した。頭を抱える俺に・・・ 「あとで説明するねぇ?」 白兎が相変わらずの口調で囁いた。白い平安衣装を脱いで私服に戻る。 そのまま3時のティータイムだと七夜に呼ばれダイニングに急ぐ。
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