16人が本棚に入れています
本棚に追加
忍びの時の服装は黒の上下、まぁ単なるジャージだ。それに七つ道具と使い魔のラテ。
今はジャージもダンス系のカッコイイデザインがあるからこれでコンビニもいける。
だけど腰に巻きつけたベルトにはクナイやら、胡蝶から預かった烈火刀・巻菱・忍び鎌は危険物だからちょっと買い物はいけない。これが定番、忍びの七つ道具だ。
一番の武器として武器職人が作ってくれた『風斬り』は今日はじめて使用する。投げて使う刃物・・・飛び道具だ。
学園に来てから少しづつは練習してきたが実戦では初めて使う。
背筋がぶるっと震える・・・戦いの前の武者ぶるいという奴か・・・今日は本当に魔物が闊歩するのにうってつけの綺麗な満月だ。
☆彡 ☆彡 ☆彡 ☆彡 ☆彡
体育館のカギのかけたドアは開け放たれ中から、わんさと下等な魑魅魍魎が出て来ていた。
白兎は胸に刺したペンに呪文を唱え錫杖にする。
錫杖を両手に構え経を唱えると結界が出来て次第に悪魔の行動範囲を狭めていった。
黒兎は銀色のペンを取り出し錫杖に変えた。
円を描きながら経文を唱えると悪魔が浄化され粉々になり光りながら天にのぼる。
寮の方で叫びこえが聞こえた。
有栖とあげはと三人で声のする方向・・・寮に急いで向かった。
寮の一階のドアが壊されており、そこに首のない不気味な人形(ひとかた)の魔物がいて寮生を一人食おうとしていた。
化け物はこっちに気付き寮生を掴んだままこちらに突っ込んでくる!
『あげはっ!』
有栖の言霊が聞こえた。あげはは草笛を吹く。
化け物のまわりに羽虫が集り動けなくなっている。
「有栖!俺がヤル」
「ああ、任せた」
そのまま風斬りを投げて魔物は腹から真っ二つになる。キレ味がいい。
「他にもいるかもしれない。探そう」
その時、後ろに倒れていた魔物が二匹になって俺の手首に触手を伸ばし引っ張り上げた。
「コイツ!しぶとい!刻むともっと増えるぞ」
俺は触手を脇に刺していた烈火刀で斬って難を逃れる。
有栖があげはに言霊で叫んだ。
『あげは、魔物の本体がどこかわかるか?』
『わかる』
『左足・・・くるぶしのとこ』
「十六夜!クナイを足首に打ちこめ!」
「了解!」
クナイを打ちこむとそこから黒い血の様な液体が噴出して二匹の魔物はどす黒いドロドロした液体になった。
最初のコメントを投稿しよう!