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帰宅して私服に着替えた後、有栖が目が覚めたと聞かされた。
靫の言っていた事が本当だった。
ウサギ兄弟やあげはが有栖の部屋で有栖を囲んで喜び合っている。
ドアのところでその光景を見て、入れずにいた。
「あっ、十六夜入ってこい。心配掛けたな」
「あ・・・ああ、よかった。ごめん、俺のせいで・・・」
「いや、お前の判断は正しかったよ。自分にダメージは大きかったが全員救えたし、よかったよ」
有栖はにっこり微笑んで
「十六夜の攻撃は的確だった。上手くフォローも出来ていたし、これからも頼むよ・・・」
握手を求めて俺に手を差し出した。俺の手は汚いよ・・・有栖。
手を取って跪き額に手の甲を当てた。
有栖はそのまま俺の頭に手を置いて髪を撫でた。
ゾクっとして背筋が震えてしまう。俺の気持を・・・隠さなければ。
「早く眼が覚めたのはなんでかな?もっと回復に時間がかかると思ったんだが。きっと一緒に闘って十六夜の魔力を少し分けてもらったのかな?体の中に十六夜の力を感じるんだ」
俺は正直肝を冷やした。
その横で黒兎が俺を睨んでいる事に気付く事が出来なかった。
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