恋心

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ついに一週間後には根を上げて寮に戻りたいと有栖に直談判した。 「なんで?何が気に入らないんだ!」 ひどく怒っている。本当の事をいったらもっと怒るだろうな。 「ボクが気に入らないのか?避けてるし、仕事がわるかったか?」 有栖がひどく必死になっている。取り乱してるのを初めて見た。 本当の事を半分だけ話せば納得してくれるかな?意を決して服の件を話す。 「一緒にいると・・・その服が透けて・・・あ・・・有栖の身体全部、見えちゃうようになって・・・その・・・気まずくて」 一瞬びっくりした顔をして、事の次第に気付いたのか一瞬で真っ赤になってモジモジした。 「今、見えてる?」 「・・・ん・・//」 有栖は耳まで真っ赤になって布団をかぶった。 「ごめん・・・言えなくて・・・その・・・」 「言ってくれればよかったのにっ!//」 肩を震わせて床に座り込んでいる。すごくかわいい。 そんな風に思ってしまった。布団まで透けてる・・・震えてる背中が見えて愛おしい。 可愛くなって思わず肩を抱いてしまった。 「離せって!」 ドンと押し戻された。そりゃそうだよな・・・嫌われて当然だ。 「だから、寮に帰るよ。いいかい?」 有栖は黙っていたのでそっと有栖の部屋を後にする。そして部屋に帰って荷作りを始めた。 「おいっ!誰が帰っていいていったんだ」 大声を張り上げて、ドアを思いっきり空けて飛び込んできた。 「だって嫌だろ!こんなのが傍にいると」 「そ・・・それはお前のせいじゃない。ボクのせいなんだ。だから帰るな!」 有栖が俺の背中に縋りついた。体温を背中に感じる。泣いているのか? 「何で、泣いてるの?」 「泣いてなんかないっ!」 相変わらず強情だ。でも声は泣いてうわずっている。これ言わないと納得しないかな。
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