不思議の国の皇子

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「この学園は、神隠しが多くて生徒がいなくなってたんだ。つい最近もあった・・・三人くらいだったか。魔物が多すぎるのと、上級の魔物が多くて・・・人間に化けてるからなかなか見つけにくい。ハッキリ言って手におえない量だ」 「それと闘えと?」 「そう。まぁ、ボクが基本殺るが、お前にボクのフォローを頼みたい」 「お前にはウサギ兄弟がいるじゃないか」 「うっ・・・ウサギ兄弟っ!」 黒兎が絶句している。ギッと睨みつけてきた。 「白兎は結界師、黒兎は白魔導なんだよ。三日月家は魔導の家柄なんだけど跡取りが出来なくてね。満月の家から黒兎を養子とっているんだ。 三日月の魔道を受け継ぐ者がいなくなって攻撃できるのは僕とあげはだけになってしまって・・・」 「あげは?」 「紹介しておこうか、あげははいる?」 奥の扉が開いて10歳位の少女が出てきた。 白いワンピースを着て亜麻色の長い髪頭に大きなリボンをしている。 「・・・・」 「アゲハは蟲師、主に虫と爬虫類を使い魔にしている。耳が聴こえないし話も出来ない。アゲハに話すときは言霊を使え」 「言霊?」 「そう心の声だ。お前の使い魔とも言霊で話しているだろう?」 「言霊で話していたのか・・・・」 「ほんと何にも知らないんだねぇ~大丈夫?有栖ぅ・・・十六夜クンで」 「やってみなきゃ分からないだろ?胡蝶っていうお前の里のオンナも食えないやつだな。何にもこっちに情報を寄こさないで、何にも知らないコイツを寄こすんだから」 有栖はにやりと嗤った。 「ああ、それと今日からここに住め!夜の活動の方が多いから都合がいい。理事長には僕から連絡を入れておく」 「ええっ!そんな勝手な。ラテも置いてきてるし荷物もあるし・・・」 「使い魔ならお前の傍にいるぞ」 下を見るとラテが足に頭を擦りつけていた。 「使い魔は主の傍に常に居るもの、見えない時も見えている時も・・・」 何にも知らなかった。これで戦っていけるのか不安になる。 それよりもこの屋敷に住むなんてありえへん。もおおおう!帰りたいわ。 「わからない事は七夜(しちや)に聞け」 「七夜って?」 「この屋敷の執事だ」 ああ、先程のアニメで見るような執事様ね・・・了解しました。
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