物事には順序ってものがある

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「ところで、今度文化祭があるんだけど来るか?」 美香が気にしてしまうだろうと思い、無理矢理に話の方向性を変えた。 「円香から聞いたわ。2学期が明けて暫くしたらじゃなかった?」 「まあ、そうなんだけどな」 暫くしたらと言っても3週間足らずでやらないとならない。 基本的に目玉となるのが部活動の方だ。 露店を出して儲けさえすれば部費や小遣い稼ぎになる。 まあ、中学生の財布事情などたかが知れてる。 貰えるお金も微々たるもので十二分だ。 「光太郎は何かやるの?」 「やってもクラスだな。でもーー」 「仕事をするのがめんどくさいって言うんでしょ?」 光太郎の口癖の「めんどくさい」を先回りされた。 何となく理解されていた事がむず痒い気持ちになる。 しかし、その通りなので光太郎は頷いた。 「本当、面倒な事だ」 「と言うより夏休みの宿題は終わったの?」 「中学生の宿題を早く終わらせるなんて難しくはないからな」 元々が大学受験を控えていた高校生で勉強をしていたのだ。 今も念のためにと継続して続けてるので問題はない。 「ところでこれからはどうするの?」 「どちらかと言うと様子見だな」 美香の問いに多少考える所があるが、光太郎はさっさと答えた。
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