【第2話】はじめての、夜

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  「ああ、神谷さん。お待ちしてました。さ、こちらへどうぞ」 佐川さんが軽く手を挙げて、奥へと誘う。 「すみません」と言いながら、指定された場所へ足を進める神谷さん。 彼が私の後ろを通る瞬間は、妙に緊張してしまった。 ……気付かれてないといいけど。 「……さて、揃ったことだし、乾杯するか」 「そうですね」 「では、プレゼン勝利を祝して、乾杯!」 「「「乾杯!」」」 カチン、グラス同士が触れ合う音が聞こえて、一呼吸分の静寂。 「っ、あー!」 「うまいっ!」 飲み込むと、思い思いの感想を吐き出し、宴会は始まった。 .
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