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「へえ、羽村の好みってどんな感じなの?」
な、何を言い出すんだコイツ!
そう言いたいのに呆気にとられて声が出なかった。
面白そうに顔を緩める長瀬に、ユリナちゃんは得意げに答えた。
「年上でぇー、落ち着いててぇー、短めの黒髪でぇー、涼やかな目元でぇー、クールな感じなんだけど笑顔がかわいくてぇー……」
な、なんでそんなに詳しく知ってるのっ!
って、飲みに行ったりランチのときに話したりしてるから、か……。
それにしたって、ここでそんな話しなくても!
話を振った長瀬はニヤニヤ笑っている。
明らかに、わざとだ。
ちくしょう、ここが外なら思いっきり蹴飛ばしてやるのに。
何かを思い出すように”私の理想像”をあげつらっていたユリナちゃんは、何かを思いついたようにパチンと両手を叩いて、最高の笑顔を向けた。
「そう、神谷さんみたいな人ですよぉっ!」
「えっ? 僕が何か?」
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