【第2話】はじめての、夜

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   あっという間に、約束の週末。 ……こんな風に言うと、まるでデートみたいだ、が。 これはあくまで、仕事の一環。 堅苦しくない程度の、接待に近い、飲み会だ。 「羽村、長瀬、そろそろ出るぞー」 「あっ、はいっ!」 「はーい、っと」 19時過ぎ。 定時、というものがあってないような私たちにとっては、随分早い時間だ。 佐川さんの声に促されて会社を出ると、すでに外で待っている数人が見えた。 「あっ、みんなやっと来たぁ!」 そう言ってぴょこっと私の隣に来たのは、後輩の宮野ユリナ(みやの ゆりな)ちゃん。 くるんと内巻きになった肩くらいまでのボブヘアも、つけまつげとピンクのチークが施されたメイクもかなり似合ってる、新米コピーライターだ。 .
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