【第2話】はじめての、夜

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   それから。 酔いも手伝って、神谷さんとの話も弾んで、私は有頂天だった。 普段どんな生活をしてるとか、趣味は何だとか。 好きな音楽やお気に入りの映画、ベストセラーの小説まで、いろんなことを話した。 特に、美味しいお店やお酒の話では盛り上がって。 私の気になるお店に神谷さんも興味を持ってくれて、『今度一緒に行きましょう』って言ってもらえたりして。 社交辞令だったとしても、夢みたいな気分だった。 一次会が終わって、神谷さんを見送ったところまでは、しっかりと覚えている。 そのあと、幸せいっぱいのふわふわした気分でいる私に、いつもみたいに長瀬が『飲み直そーぜ』って言ってきた、ような、気がする。 それに、何て返事をしたのかは、覚えていない。 .
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