【第2話】はじめての、夜

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  最初は、敬遠していた。 見た目も派手だし、きゃいきゃい騒ぐし、話し方も甘ったるくて語尾を伸ばすしで。 その全てがぶりっこに見えて、苦手なタイプだと思っていたから。 けれど、実際は違った。 仕事はきちんとこなすし、私にもなついてくれる。 何より、外見や話し方、テンションの高さは単なる彼女の個性だった。 ぶりっこどころか、取り繕うこともせずに言いたいことをそのまま言ってしまうので、ヒヤヒヤすることもあった。 趣味はイケメン観賞で、理想のタイプは可愛くてカッコいい、王子様みたいなジャニーズ系、だという。 「神谷さんはオトナ過ぎるしぃ、長瀬さんはユリナ的にちょっと違うんですよねぇ……。でもでもっ、2人が並ぶところ想像したら……超ステキじゃないですかぁ!? こっそり写真撮って売りさばきましょーよぅ!」 ……つまり、ユリナちゃんは、裏表のないナチュラル毒吐きタイプなのだ。 .
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