愛と憎しみの狭間

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 お前を見ていると、前の奥さんにも見えるし、綾にも見える……。 「ああ、そうだわ……あんたを虐めたら少しは気が晴れるかしら?」 前足に力を入れ、更に負けじとゲームは吠えたてた。癇に障る、耳に付くうなり声。 拓也との修復だけを静かに考えていたいのに、思考を邪魔するウザイ存在。一刻も早く取り除かなければ――。 「はぁ……この日本酒も最高!」 グラスに日本酒を注いで一気に飲んだ。 拓也さんの前では、大人しめに飲んでいたが本当は違う。私は前の奥さんと同じ、大酒のみ。一緒にされたくなくって、抑えていただけ……。 「キャバ嬢は本当に天職だったのになぁーあははははははっ!!!!」 ――ウウウー! ワンワン!!!! ワンワン!!!! 「ゲームも飲みたいの? ちょっと待って。道具を取り出すから……」
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